僕が尊敬する人はたくさんいるのですが、
亡くなった今も憧れと畏敬を持っていくつかの本によってその世界に触れさせて頂いている人が白川静さんです。
(一般でよく使う「〜させて頂く」という過剰な謙譲はあまり好きではありませんが、
本当に尊敬している場合はこれを使うより他ない気がします。)
今までの常識を覆して文字の起原をたどり、字書を編纂した方です。
僕は文字によって四千年の昔と今を結びつけるシャーマンのように思っています。
その白川静さんの字書によると、下にある〈狂〉の字はこういう意味となります。
王は王位の象徴である鉞(まさかり)の頭部の形、
王の命令で遠く使いの用をする時には、
使者はこの神聖な鉞(まさかり)の上に足を載せる儀式をし、
その霊の力を授かって出発したのである。
玉座(王の座席)の前に置かれた鉞(まさかり)にふれて
異常な力が与えられるように、
何らかの霊の力によって異常な力を得て「くるう」ことを狂という。
僕の狂への欲求はますます強くなっています。
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