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青春

娘の受験も終わり(無事合格しました。)

ようやく春のお迎え準備完了という今日この頃です。

気温も上がってまいりました。身体が動きたくてうずうずしておりますね。

 

先日、娘の合格報告を金沢のじいちゃんばあちゃんにして参りました。

そりゃあ喜んでくれました。僕も親孝行になったかな?グッジョブ娘!

 

その帰り道、僕が大学時代からお世話になり、卒業してから2年弱居候をしていた

(ここの工房は“弟子”という扱いではないので、“居候”もしくは“スタッフ”と呼んでおりました。)

愛知の陶芸家 鯉江良二さんと、土岐の陶芸家 伊藤慶二さんの展覧会が

富山市の楽翠亭美術館(らくすいていびじゅつかん)で開催されておりましたので、

息子、娘と3人で行って参りました。

鯉江さんの所へは、ウチの子供達も小さいころから何度も遊びに行き、

実の孫のようにかわいがってくれているのです。

 

伊藤慶二+鯉江良二

土に宿すかたち ーパイオニアたちの仕事ー 展

 

そこで見た懐かしい作品の数々・・・。

僕が制作に関わっているものが沢山あったのです。

 

学生の頃、学校では鋳造を学んでおりましたが、

鯉江さんの人間性と作品とに惚れ込んで畑違いの陶芸の世界に足を踏み入れた訳です。

もちろん陶芸に関するいろいろ、土練りや窯詰めなどもやりましたけれど

鯉江さんからは「おまえは学生の間ずっと鋳造を学んできたんだからここでやってみろ」

という指示をいただきました。

大学というシステムの中でそれをやる事は簡単ですが、

システムから放り出されると物凄い大変なんですね。

それをよくわかっていて僕にやらせてくれたのでしょう。

道具の制作からシステムの再構築から・・最低限工房の仕事をこなした上で

やっていると結局1年くらいかかってしまいました。

しかし、その時期にシステムを再構築し、自分なりの方法論をみつけたおかげで

今の制作のスタイルが確立できました。

 

僕が鯉江さんの工房で鋳造をできるようにした事は鯉江さんにとっても

制作のインスピレーションになったようです。

それから鯉江さんの作品にいくつも関わらせて頂きました。

 

そのうちの一つ「森ヲ歩ク」が会場内の日本庭園内に展示されていたのです。

すごく美しい展示でした。

 

 

見ているだけでその頃の葛藤や悩みがありありとよみがえってきます。

まさに僕の「青春」がそこにありました。

後から美化する事はできるけど、やはり青春のまっただ中って苦しかったような気がします。

やりたい事とやれる事の葛藤、将来の不安、社会への憤り・・・。

 

いま、息子と話しているとまさにその不安定なまっただ中にいるのだなと感じます。

 

「がんばれよ、それを乗り越えると強くなれるから。」

 

そんな事を思いながら、今から突入する娘と、まっただ中の息子

それからそのさなかにフラッシュバックしている自分、

不思議な感覚でゆっくり時間をかけて展示を見てきました。

 

 

 

6月16日までのロングランです。機会がありましたら是非。