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空に井戸を掘る ーと 山の風ー

10月31日付けの記事「空に井戸を掘る 富山」にてお伝えいたしましたが、

日程通り、11月6〜10日(片付け含む)富山のとある山の頂上に

制作して参りましたので、ご報告いたします。

 

6日朝、現地入りし、まずは制作の準備。

2.5トンというアルミの量に圧倒されながらも、

溶解炉の制作と、型の制作を二手に分かれてすすめていきます。

 

 

アルミは融点700度程度、一旦溶解してしまえば粘度は低く、

水蒸気爆発など起こしやすいとも言われています。

今までの経験から危険と思われる箇所に気をつけながら準備を進めていきました。

 

型を焼く為、夜通し火を扱っている関係からこの日は現場に泊まり。

この場所は360度見晴らしの効く山の頂上。

夜中、強烈な風、遮るものがないのでテントが飛んでいくかの勢い。

 

 

7日、鋳造当日、今日1トンのアルミを融かします。天気予報は晴れ一時雨

降りませんように!もし降っても通り雨程度で済みますよう・・・・

 

願いむなしく途中から嵐。横殴りの雨、身体ごと持って行かれそうな風。

型の上にテントを張り、考えつくあらゆる手を尽くし、火のケアを怠らないように!

寒さで体力も奪われるので、制作スタッフの体調も把握しておく事!

実際制作が終わってみて振り返ると

この時点の精神的な疲れが一番大きかったかもしれません。

 

以前、北海道での制作の時も雨にやられています。

鯉江さんに「どうしますか?」と聞いた時の返事が忘れられません。

「大丈夫、鯉江は雨には負けません!」でした(笑)

今回、「嵐にも負けません」が加わりましたね。良二さん!

もちろん、嵐の最中の写真などありませんよ。余裕一切無し!!!

鋳造の様子はこんなでした。

 

 

風の為かなかなか炉温が上がらず、溶解に予想外の時間がかかる。

明るいうちにある程度目処が付けれればと思っておりましたが、

結局8時過ぎまでかかってしまいました。

いや、そのくらいでできてよかった〜!

っていうか、最後まで鋳造続けられてよかった〜!

運を天に任すような仕事の仕方はイケませんけれども、

運をねじ伏せるような迫力が必要な場合もあるのです。

 

8日、建て込み。クレーンで吊っている時、強風が吹きませんように!

大バール(僕はてこ棒って呼んでましたが長野近辺の言葉なんすかね?)

ですこしづつ持ち上げ、角材をかませて裏返していきます。

3方にワイヤーをかけ、クレーンでつり上げる。

まわりには馬鹿話で応えていたものの自分自身はテンションぴりぴりで

もちろん写真なんて撮っておりません。

 

立ち上がった様子がこちら。

スケールがわかりやすいように人が入ったものを。

 

 

9日、2回目の鋳造日。期間中この日だけが気持ちよく晴れでした。

前日立ち上げたあとの溝にもう一度アルミを流して作品完成。

炉温も上がりやすく、すいすい作業が進んでいきます。

途中から鋳造は良二さんの実の息子、アキラ(僕のギリの弟(笑))にまかせ、

僕は作品タイトル彫りと参加者名を作品に刻印する作業へ。

違う作業をするとはいえ、事故が起こらないように背後にも五感を働かせて。

これだけ大きなプロジェクトですので参加してくれるスタッフの数も多く、

意外に刻印打ちが大変・・。

映画のエンドロールのようでカッコいいんですよこれが。

作品がしまります。

作品名はタガネで彫っていきます。

 

ゴメン、ちょっとピンぼけ。

タイトル「空に井戸を掘る ーと 山の風ー」

ロマンチストだなあ、良二さん。

 

 

 

鯉江さんのサイン。わかりにくいね。

 

 

参加スタッフの名前

 

 

メイン制作者の名前、アキラと僕、良二さん。

 

10日、片付け。またもや嵐。

等々テントが壊れた。支え骨がグニャリ。

でも大丈夫。ちゃんと作品は立ってる!12メートル!

よし!

 

 

最後に・・・

僕自身作家でもありますが、

こういう大きな仕事をいただけるまでにはまだ至っていません。

まず、この仕事を僕にやらせてくれた鯉江良二さんに深い感謝と愛を。

 

全面的にサポートしてくれた陶芸家、鯉江明氏、

学校でのカリキュラムもあった事でしょうが、それを押して参加してくれた

富山ガラス造形研究所、指揮を録ってくれた本郷仁先生、

興味を持って参加してくれた学生達

金沢から、高山から、瀬戸から一線で活躍している作家、

それから美術を志す学生にも協力いただきました。

ありがとうございます。

 

まったく全面的に信頼してくれ、最後までスムーズに仕事を

コーディネイトしてくれたギャラリーNOW

富山剛さん、和光の柳原さん、

コーディネイト側でもあり、実制作にもフルに協力してくれた

楽翠亭美術館、コーディネーター山本珠希さん

おかげで滞りなく進められました。ありがとうございます。

嵐の中、ずっと記録を録ってくれたSKYPROの小笠原さんとスタッフの方

ありがとうございます。出来上がりが楽しみです。よろしくお願いします。

 

 

あたりまえですが・・・

作品を作るにはクライアントが居ます。

途方もない仕事を発注し、現実に制作にもサポートしてくださり、

忙しい中、毎日現場に顔を出してくれた

izakの社長、そして楽翠亭美術館館長、

石崎由則氏に深く深く感謝を。